日本国内には数多くのインターナショナルスクールが存在しており、国際的な教育環境で学びを深めたい方にとっては1つの選択肢としておすすめできます。
インターナショナルスクールは、日本にいながら留学先のような環境で国際理解を深められるスクールです。
「インターナショナルスクール」と呼ばれるスクールは全世界に存在しており、令和5年度に文部科学省が実施した調査によると直近10年で通学者は1.5倍に増加したと公表されています。
また、スクールはアジア圏に多く存在しており2023年には全世界13,000校中57%がアジア圏に存在していることが分かりました。
(※参照 文部科学省|諸外国におけるインターナショナルスクールの位置づけに関する調査)
また、2020年の日本におけるインターナショナルスクールのデータによると、全国で143校、在籍者数は31,023人と報告されています。
インターナショナルスクールの中には高校生を対象とした「インターナショナルハイスクール」もあり、入学することで国際的な視野を広げるだけでなく、高校卒業資格や海外の大学などへの入学資格も取得できます。
今回は非常に多く存在しているインターナショナルハイスクールの中から、特におすすめのスクールを3つご紹介します。
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インターナショナルスクールとは
日本で「インターナショナルスクール」と呼ばれるスクールは、一般的に「主に英語により授業がおこなわれ、外国人児童生徒を対象とする教育施設」を指します。
インターナショナルスクールには保育園や幼稚園の役割を果たす「インターナショナルプリスクール」や、卒業時に高等学校卒業と同等の資格を得られる「インターナショナルハイスクール」などが存在しています。
中でも「インターナショナルハイスクール」は日本の大学だけでなく、海外の大学へ進学する資格を有することもできる場合があり、より広い視野で将来を考えることが可能です。
ここでは、大枠であるインターナショナルスクールの定義やカリキュラム内容をご紹介します。
インターナショナルスクールの定義
インターナショナルスクールとは、主に多国籍の生徒を対象に英語で国際教育をおこなう学校を指します。
国際バカロレア(IB)やケンブリッジ、Edexcelなどの国際的なカリキュラム、または日本の一般的な教育課程とは異なる独自の教育課程を採用している特徴があります。
日本では「法令上の明確な定義はないものの、英語で授業をおこない、外国人児童生徒を対象とする教育施設」と文部科学省が定義づけています。
近年は、日本人子女向けの国際教育校や一部民族学校も広義のインターナショナルスクールに含まれることがあります。
なお、政府認可や国際基準に沿った学校が正式なインターナショナルスクールとされ、単なる英語系私塾とは区別されるため注意が必要です。
カリキュラム・教育スタイルとは
インターナショナルスクールは世界基準の教育プログラムを採用している特徴があり、代表的なカリキュラムは下記の通りです。
カリキュラム名 | 国際バカロレア(IB) | アメリカ式(AP) | 英国式(IGCSE/Aレベル) |
---|---|---|---|
特徴 | スイス発祥。探究学習やプレゼン重視。国際的な視野と自律性を育む | 高校生が大学レベルの科目を先取り学習。科目ごとに選択 | イギリス型カリキュラム。5歳からスタート。中学卒業時にIGCSE、高校卒業時にAレベル取得 |
進学先の選択肢 | 世界中の大学に広く通用 | アメリカや他国の大学 | イギリス含む世界の大学 |
また、上記以外にも主に英語を使用し授業がおこなわれる点や、少人数・参加型授業を採用している点もインターナショナルスクールの特徴です。
例えば、大阪YMCAインターナショナルハイスクールでは「総合的な英語力の養成」を目指し、全授業の約5~8割を外国人教員が担当しています。
また、様々な国籍の生徒が在籍していることから1人ひとりの考えや多文化背景を尊重した教育を実施している点もインターナショナルスクールの特徴です。
さらに、高校生を対象としたインターナショナルハイスクールでは、卒業時に大学入学資格や高校卒業資格を得られる専修学校高等課程を採用している場合もあります。
文部科学省により「大学入学資格付与指定校」として認定されているスクールは、卒業と同時に大学入学資格も与えられるため希望の進路へ進みやすくなっています。
将来国際的な環境で働きたい方や、より視野を広げたい方にはインターナショナルスクールの教育は非常におすすめです。
おすすめインターナショナルハイスクール3選
高校から入学しやすいインターナショナルハイスクールは全国に多く存在しており、それぞれ教育方針などから自分に合う学校を見つけることが可能です。
ここでは、特におすすめのインターナショナルハイスクールを3つご紹介します。
大阪YMCAインターナショナルハイスクール

大阪YMCAインターナショナルハイスクール(IHS)は、1988年に創設された日本国内では数少ない本格的なインターナショナルハイスクールのひとつです。
「Celebrate Our Differences!」を合言葉に、多様性を尊重する教育環境を提供し、地球市民としての視点と国際的な力を育むことを目指しています。
全校生徒の約4割が外国にルーツを持ち、英語を母語としない生徒たちも、日々圧倒的な“英語のシャワー”の中で、実践的な英語力を身につけていきます。
授業の約5〜8割をネイティブ教員が担当し、リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング・文法といった基礎スキルをバランスよく鍛えるカリキュラムが組まれています。
イマージョン教育も導入しており、理科、数学、社会学、心理学などの科目も英語で学ぶことで、英語で「考える・表現する」力を養成します。
1クラス10名程度の少人数制によるきめ細かな指導のもと、英語力の習得だけでなく、ディベートやプレゼンテーションの機会も多く、アクティブ・ラーニングを35年以上実践しています。
また、学校生活の中心にあるのは「多様性」と「自己発見」であり、1学年30名ほどの小規模校だからこそ可能な手厚いサポート体制があり、教員全員がカウンセリングマインドを持って、生徒一人ひとりの個性や背景に寄り添います。
IHSでは、毎年生徒自身が企画・運営するイベントが多数行われ、生徒は主体性と責任感を身につけながら、仲間とともに学び合う経験を積んでいきます。
学年の壁がなく、他学年との距離が近いのも魅力の1つです。
世界20ヵ国以上の国にルーツのある仲間と日常的に関わることで自然と英語での対話力も培われます。
キャンプやボランティア、海外短期留学、国際交流など、YMCAネットワークを活かした多彩な課外プログラムも魅力です。
卒業生の約2割が海外進学し、全体の90%が国内外の大学・専門学校などに進学するなど、進学実績も高く、将来の多様な進路に対応できる柔軟な進路サポートが整っています。
さらに、日本語学校との提携により、日本語と英語の両方を学べるプログラムもあり、またスペイン語やドイツ語等、第二外国語も選択できるなど多言語・多文化の環境での学びが可能です。
「違いを大切にする」ことを教育の根幹に据えたIHSは、英語力を伸ばしたい生徒だけでなく、自分らしく学びたい、自分の未来を主体的に切り拓きたいと願うすべての若者にとって最適な学び場です。
関西インターナショナルハイスクール

関西インターナショナルハイスクール(K.I.H.S.)は、大阪・天王寺駅から徒歩3~5分という抜群の立地にある全日制インターナショナルハイスクールです。
国内の中学卒業生を主な対象に、帰国子女や外国籍生徒など、国際的なバックグラウンドを持つ多様な生徒が学んでいます。
教育目標は「真の国際人の育成」であり、英語力だけでなく、論理的思考力、交渉力、人間力を育むことに力を入れています。
その象徴が「模擬国連」などのアクティブ・ラーニング型授業です。
生徒は授業内で積極的にディスカッションやプレゼンテーションに挑戦し、実社会で通用する発信力や問題解決力を養います。
英語授業は全体の約4割がネイティブ教員によりおこなわれる点も関西インターナショナルハイスクールの特徴です。
社会科や理科も英語で学ぶ「セミ・イマージョン教育」を取り入れ、実践的な英語運用能力が自然と身につく環境が整っています。
習熟度別クラス編成や1クラス15名程度の少人数制により、生徒一人ひとりのレベルや個性に合わせたきめ細やかな指導が行われます。
TOEICでは卒業時点で4割以上の生徒が600点超、さらに8割が英検2級・準1級に合格するなど、英語力向上の実績も豊富です。
また、大阪府の「実践的英語教育強化事業」では、約300校の中で第2位にランクインした実績があり、その教育力は公的にも高く評価されています。
卒業生の進路も多彩で、関関同立、関西外国語大学、京都外国語大学、早稲田大学、国際教養大学、さらには海外大学など、英語力と国際力を活かした進学実績が多数あります。
英語を武器にしたい方や、将来は国際舞台で活躍したいと考える方に、おすすめのインターナショナルハイスクールです。
東京インターハイスクール

東京インターハイスクールは、東京都渋谷に校舎を構えるアメリカンハイスクール認可校です。
米国ワシントン州の公認高校「Alger Independence High School」の日本校として、日本にいながらアメリカの高校卒業資格を取得できるのが最大の特徴です。
生徒一人ひとりに専任の「学習コーチ」がつき、自分だけのオリジナルカリキュラムを作成し、学習計画から日々の進捗、単位取得、卒業までをマンツーマンでサポートします。
授業スタイルは、学校中心の「Closed Education」とは異なる「Open Education」です。
学校外での活動、プロジェクト学習、フィールドワーク、オンライン学習など、学ぶ場所も内容も非常に自由です。
生徒は英語または日本語で学習を進めることができ、世界中どこからでもオンラインで受講できる環境が整っています。
好きなタイミングで入学でき、月単位で学習をスタートできる点も大きな魅力です。
学び方も「Active Learning」「Project Based Learning」を重視しています。
自分の興味や目標に合わせて、探究学習やテーマ学習、プレゼンテーションなど、主体的な学びを深めるプログラムが豊富です。
アメリカの高卒資格だけでなく、日本の高卒認定試験(旧大検)合格に向けた学習サポートも用意されています。
卒業生は早稲田大学、上智大学、ICU、東京外大など国内難関大学だけでなく、イギリス、アメリカ、韓国などの海外大学にも多数進学しています。
東京インターハイスクールは、自分のペースで主体的に学びたい人、多様性のある環境で自由に学びたい人におすすめのインターナショナルハイスクールです。
インターナショナルハイスクールの選び方
インターナショナルハイスクールを含むインターナショナルスクールは年々増加しており、選ぶ際にはカリキュラムや学校の立地、講師の質など様々な観点から確認することが重要です。
ここではインターナショナルハイスクールを選ぶ際の規準や、保護者が考慮すべきポイントについて解説します。
学校選びの基準
学校を選ぶ際には、下記のポイントを意識し学校を探すことをおすすめします。
- カリキュラム(IB、AP、IGCSEなど)
- 立地(通学のしやすさ)
- 認定校(一条校、⼤学入学資格付与指定校など)
- 教師の質(ネイティブスピーカーの割合など)
- 生徒の国籍比率
日本のインターナショナルスクールには一条校(学校教育法第1条に定められた学校)として認められている学校や、卒業後に大学入学資格や高校卒業資格が付与される学校が存在します。
認定校を選ぶことで卒業後の進路の選択肢を広げられ、グローバルな人材として海外で活躍を目指しやすくなります。
なお、インターナショナルスクールの大半は各種学校や無認可校に分類されてしまい、正式な卒業資格を取得できません。
入学前には、検討している学校がどのような機関の認定を受けているかを事前に確認するようにしましょう。
保護者が考慮すべきポイント
インターナショナルハイスクールを選ぶ際には、下記のポイントを考慮することをおすすめします。
- オープンキャンパスに参加する
- 卒業生の進路実績を確認する
- 奨学金制度の有無を確認する
インターナショナルハイスクールでは定期的にオープンスクールを開催しており、学校の雰囲気や授業の様子などを実際に確認できます。
また、在校生や教師と話す機会もあるため、入学前に不安を解消しやすくより子供に適したスクールを見つけられます。
インターナショナルハイスクールを選ぶ際に重要なのは、「子供に合った学校を選ぶこと」です。
評判などに頼らず、実際に自分の目で確認し子供に合っているかを確かめましょう。
インターナショナルハイスクールに入学して国際的な視野を広げよう!
今回は、おすすめのインターナショナルハイスクールや学校の選び方などをご紹介しました。
インターナショナルハイスクールは一条校のカリキュラムや教育スタイルと大きく異なり、国際的な教育環境で英語を中心に学びを深めるスクールです。
生徒も日本人だけでなく多国籍であるため、国際的な価値観や多文化を深く理解するきっかけにもなります。
スクールを選ぶ際は学校の教育方針やカリキュラムがニーズに合っているかを確認し、まずはオープンスクールに参加することをおすすめします。