ドイツ留学の費用っていくら?目安と節約のポイントを紹介

ドイツ留学の費用っていくら?

ヨーロッパの中では比較的治安が良く物価も安いため、留学先として人気の国の1つであるドイツ。

国籍を問わず、原則として国立大学の学費が無料で、世界中から留学生が集まります。

実際、2022年にドイツはアメリカ、イギリスに次いで世界3番目に留学生の受け入れ数が多い国となっています。

ドイツ語を学びたい人や芸術を学びたい人など、さまざまな目的でドイツへの留学を考えている方も多いでしょう。

しかし、やはり気になるのは費用面ですよね。

欧米諸国と比べ留学費用が安い言われているドイツですが、留学費用の目安はいくらでしょうか?

今回は、ドイツ留学の費用の目安と節約のポイントを紹介します。

ドイツ留学準備!計画から出発までを完全解説

郁文堂
株式会社 郁文堂
  • ドイツ語参考書をはじめとする書籍の出版
  • 問題集や海外文学など幅広い書籍を販売
名称
株式会社 郁文堂
所在地
〒113-0033 東京都文京区本郷5-30-21
代表取締役社長
柏倉健介

ドイツ留学費用の目安

ドイツ留学費用の目安

それではさっそく、ドイツ留学費用の目安から見ていきましょう。

短期だと1か月、長期だと1年間の留学が人気ですが、目的や費用の関係で3か月や半年間留学をする方も多くいます。

留学する期間や条件によって費用は大きく異なるので、ここでは以下の条件で4種類の期間を例に解説します。

  • 航空券込み
  • 留学先:語学学校
  • 滞在先:シェアハウス

1か月

1か月間の留学では、およそ45万円~60万円が目安です。

ドイツの語学学校は短期間で通う場合、授業単価が高額になることが多くあります。

長く通うほど週あたりの授業料が安くなるのですが、1か月という短期間であれば180~250ユーロ(2万8,000円~4万円)/週のコースが平均的です。

3か月

3か月間の留学では、およそ70万円~120万円が目安です。

ドイツは90日を超える滞在にはビザが必要なので、3か月程度の留学を予定している場合はビザの有無についても必ず確認しておきましょう。

半年

半年間の留学は、およそ140万円~200万円が目安です。

留学期間が6か月ともなると、住む場所や部屋タイプ、通う学校によって留学費に大きな差が出てきます。

そのため節約をするには念入りな情報収集がカギとなり、複数の語学学校や滞在先を比較した上で決定しましょう。

1年

1年間の留学は、およそ250万円~330万円が目安です。

この場合も、語学学校や住居、そして食費によって留学費用が大きく異なります。

外食をすると食費がかさんでしまうので、なるべく自炊をするように心掛けると良いでしょう。

ドイツ留学費用の内訳

留学費用の内訳

続いて、ドイツ留学費用の内訳を見ていきましょう。

留学の際に必要な出費は、主に次の7つの項目です。

  • 航空券
  • 語学学校費用(入学金、授業料、教材費)
  • 住居費(家賃、光熱費、水道代)
  • 保険料
  • 食費
  • 交通費
  • おこづかい

航空券

航空券は、渡航時期や航空会社によって大きく費用に差が出ます。

しかし、往復で約20万円~30万円が相場です。

直行便や人気のシーズンは航空券が高騰化するので、オフシーズンや経由便を選ぶと留学費用を節約できます。

語学学校費用(入学金、授業料、教材費)

ドイツでは国立の大学は原則授業料が無料ですが、一部の大学や学科、語学学校は授業料がかかります。

語学学校を例に挙げると、入学金は25~90ユーロ(約4,000円~1万4,000円)、1か月あたりの授業料は760~1,160ユーロ(約12万円~18万5,000円)、教材費が20~35ユーロ(約3,000円~5,500円)が相場です。

また一般的には、どの語学学校もいくつかのコースから選択でき、それぞれ受講コマ数が異なります。

授業料は受講するコマ数に比例するので、語学力や予算と相談しながらコースを決めると良いでしょう。

  • 入学金:25~90ユーロ(約4,000円~1万4,000円)
  • 授業料/月:760~1,160ユーロ(約12万円~18万5,000円)
  • 教材費:20~35ユーロ(約3,000円~5,500円)

しかし、ハイシーズンになると上記に加えて授業料が4万円ほど高くなる学校もあります。

住居費(家賃、光熱費、水道代)

住居費も、滞在先の種類や食事の有無によって異なります。

一般的にはホームステイや学生寮、ワンルーム、シェアハウスに滞在し、ホームステイの場合は食事の有無や回数が選べます。

『ドイツ学術交流会(DAAD)』によると、ドイツ人学生の家賃(光熱費を含む)の平均は410ユーロ(約6万5,000円)です。

比較的安いのが学生寮で、月額平均267ユーロ(4万2,000円)となっています。

しかし1人部屋になると費用も高くなるので、自分がどのタイプの部屋に滞在したいかによって費用は大きく異なります。

さらにフラットシェアと呼ばれるシェアハウスは、月額平均 238 ~ 494 ユーロ(3万8,000円~7万8,000円)です。

もちろん場所によって値段や仕組みは変わりますが、通常キッチンやバスルームは共同で使用し、部屋は各自用意されます。

また1人暮らしを希望の場合は賃貸アパートを借りる方法もありますが、月額平均475 ユーロ(7万6,000円)と比較的高額です。

  • 学生寮:267ユーロ(4万2,000円)
  • シェアハウス: 238 ~ 494 ユーロ(3万8,000円~7万8,000円)
  • 賃貸アパート:475 ユーロ(7万6,000円)

参考:DAAD

保険料

ドイツでは、国籍を問わず国内に滞在する全ての人に医療保険の加入義務があります。

そのため、留学生も必ず保険に加入しなければなりません

月45~120ユーロ(約7,200円~2万円)程度ですが、こちらも補償内容や範囲によって異なります。

いくつかの留学保険を比較して最適なものを選びましょう。

食費

近年の日本の円安に伴い、ドイツの物価は日本に比べて同じくらいか少し高いくらいと言えます。

特に外食費は高く、レストランでは飲料水も有料です。

また義務ではありませんが10%前後のチップを支払う習慣があるため、節約するには自炊が欠かせません。

3食自炊をした場合、2~4万円が相場でしょう。

交通費

ドイツでは鉄道やバスが発達しているため、公共交通機関を利用して移動します。

留学先や学校・家の位置によって費用は大きく異なりますが、交通費は1か月で1万円前後でしょう。

しかしドイツの大学に留学した場合、学費とは別の学期共済費を支払うことで公共交通機関が乗り放題になるチケットを取得できます。

語学学校への留学は上記の通りではありませんが、大学へ留学する予定の方は交通費の大幅な削減に繋がります。

おこづかい

ここまで紹介した項目は必要最低限の出費ですが、有意義な留学生活を送るためにはおこづかいも欠かせませんよね。

好きなものを購入したり、どこかへ旅行に行ったりなど、休日に自由に過ごすためのお金も必要です。

余裕を持っておこづかいの準備をしておきましょう。

ドイツ留学で利用できる奨学金制度

ドイツの大学に留学する場合は、奨学金制度を利用するのも良いでしょう。

奨学金を受け取ることができれば生活費にまわせるので、留学費用の負担が軽減されます。

留学生を支援する機関はいくつかあり、中でも『ドイツ学術交流会(DAAD)』という機関がドイツへ留学する学生の支援を行っています

対象者の制限が設けられていますが、興味のある方は一度調べてみてください。

ドイツ留学費用のほかに必要な証明書

必要な証明書

ここまでで留学に必要な費用の目安、そして主な内訳を解説しました。

通う学校や住む家、自炊をするか外食するかによっても個人差が大きい留学費用ですが、実は「学費さえ支払えば良い。後の生活費は何とかやりくりする」というわけにはいきません。

ドイツへ留学するときは、留学期間中十分に生活できる財力があることを証明しなければなりません

生活費保証のための残高証明

ではいったい、いくらの残高証明が必要なのでしょうか?

留学中の授業料や生活費があることを証明するためには、1か月あたり934ユーロ(約15万円)以上の資金を有していることを証明しなければなりません。

1年間になると約180万円、それ以上の留学期間になると滞在予定期間分の資金証明が求められます。

残高証明に必要な金額:留学期間別

留学期間別に必要な資金を表にまとめました。

以下、留学期間別の残高証明に必要な金額です。

留学期間 必要な金額(目安)
4か月 3,736(約60万円)
5か月 4,670(約75万円)
6か月 5,604ユーロ(約90万円)
7か月 6,538(約105万円)
8か月 7,472(約120万円)
9か月 8,406(約135万円)
10か月 9,340(約150万円)
11か月 10,274(約165万円)
1年 11,208ユーロ(約180万円)

90日以上の滞在でビザの取得を必要とする方は、留学予定期間に合わせた残高証明証の準備も忘れずにしておきましょう。

ドイツ留学費用節約のコツ

留学費用節約のコツ

授業料や食費、交通費でかさばる留学費用。

できるだけ節約したいですよね。

そこでここからは、ドイツ留学費用節約のコツを4つ紹介します。

  • 日本でドイツ語をできる限り勉強しておく
  • ドイツの国立大学を目指す
  • ドイツの奨学金制度を利用する
  • 留学保険の見直しをする

日本でドイツ語をできる限り勉強しておく

ドイツの大学や大学院への留学を考えている方の中には、語学学校でドイツ語を学んでから入学しようと計画している方も多いのではないでしょうか?

大学や大学院レベルになると高い水準の語学力が求められるため、留学の前にドイツ語の能力を高めておく必要があります。

しかし、長期間語学学校に通うことになるとその分費用の負担も増えてしまいますよね。

可能であれば日本でドイツ語をできる限り勉強しておき、語学学校へ通う期間を少しでも短くしましょう。

ドイツの国立大学を目指す

冒頭でもお伝えしましたが、ドイツの国立大学は原則授業料が無料です。

100~350ユーロの学期共済費の支払いは必要ですが、共済費を支払うと特定地域の公共交通機関が乗り放題になるセメスターチケットが手に入ります

家から大学まではもちろん、買い物や遊びに行くときにも利用できます。

国立大学に留学すると、授業料だけでなく交通費の節約ができるのもポイントです。

ドイツの奨学金制度を利用する

ドイツの奨学金制度を利用することも、留学費用の節約に繋がります。

奨学金制度はいくつかありますが、その中でもドイツ外務省から資金提供を受けている『ドイツ学術交流会(DAAD)』が有名です。

『ドイツ学術交流会(DAAD)』は博士課程や修士号を目指す方を対象としているものが多いものの、給付型のため返済する必要がない点がポイントです。

もちろん、奨学金は簡単に獲得できるものではありません。

しかしこのような奨学金制度を利用できれば、留学費用の負担を減らせます。

条件や期限を確認して、ぜひ活用してみましょう。

留学保険の見直し

留学費用の中でも意外とお金がかかるのが、留学保険。

ドイツでは国内に滞在する全ての人に医療保険の加入義務があるため、保険には加入しなければなりません。

学生ビザを取得する30歳未満の方はドイツの民間保険に加入しますが、語学ビザやワーキングホリデービザの方、30歳以上の学生ビザの方は民間の留学保険に加入します。

そして民間保険の場合は、プランによって補償内容や保険料がさまざまです。

必要な項目とそうでないものをしっかりと見極め見直し、保険料を節約しましょう。

ドイツ留学の基本情報

ドイツ留学の基本情報

ドイツへ出発する前に、まずはドイツの基本情報を理解しておきましょう。

ヨーロッパの中心に位置するドイツは、日本の-8時間(サマータイム時は-7時間)です。

通貨はユーロで、公用語はドイツ語。しかし、多くの方が英語も話します。

  • 首都:ベルリン
  • 時差:日本の-8時間(サマータイム時は-7時間)
  • 通貨:ユーロ
  • 公用語:ドイツ語

教育水準も高く留学先としても人気のドイツですが、留学の種類は1つではありません。

大学・大学院への留学、語学学校への留学、語学研修・就労を目的とした留学など、人によって留学の目的は多様ですよね。

しかしドイツで90日を超えて滞在する場合は有効なビザを取得しなければならず、留学プログラムによって必要なビザの種類が異なります。

一般的には、学生ビザ、語学ビザ、ワーキングホリデービザです。

  • 学生ビザ:ドイツの大学に通うことを目的としたビザ(入学が決まっている)
  • 語学ビザ:語学学校でドイツ語を学ぶことを目的としたビザ
  • ワーキングホリデービザ:就学や就労、旅行を目的とした長期ビザ

この中でも学生ビザと語学ビザはドイツ入国後に申請するもので、ワーキングホリデービザのみ日本国内で申請します。

ビザの種類によって必要な書類や条件が異なるため、ビザの特徴や自分の目的に応じて適切なものを選択しましょう。

 

ドイツ留学の都市情報

ドイツ留学の都市情報

外務省によると、2023年6月時点でドイツの人口は約8,482万人、面積は35.7万平方キロメートルです。

人口は日本よりも少ないですが、面積はあまり変わりません。

日本と同じくらいの広さであるため、やはり都市によって街の雰囲気や天候はさまざまです。

大きい都市はいくつかありますが、その中でもドイツ留学で人気の都市は主に3つ。

  • ベルリン
  • フランクフルト
  • ミュンヘン

こちらの3つの都市に関する情報を見ていきましょう。

ベルリン

ベルリンは、北東部に位置するドイツの首都です。

ドイツ国内では最大の規模で、人口が多く歴史や芸術に溢れています。

また外国人も多いため、ドイツ語以外にも英語がよく通じます。

気候は日本と同様に四季がありますが、30度に到達することはなく湿気も少ないので夏は比較的過ごしやすいでしょう。

一方で冬は氷点下になることもあるので、防寒対策はしっかりと行いましょう。

フランクフルト

フランクフルトは、ヨーロッパのハブ空港であるフランクフルト空港がある都市です。

ドイツの第5の都市とも言われており、ドイツやヨーロッパ有数の銀行が並ぶ金融の中心地になっています。

ヨーロッパでは景観の維持目的で高い建物の建設を制限している都市が多いのですが、フランクフルトは他の都市では見られない高層ビルや高い建物を見物できるのが特徴です。

また日本からの直行便もあるため、旅行先としても人気を集めています。

ミュンヘン

バイエルン州の州都であるミュンヘンは、ドイツの南部に位置します。

ドイツ第3の都市で、自動車のBMWやビールの街としても有名です。

バイエルン王国時代の首都であることから、王家ゆかりの宮殿や教会、歴史的な建造物が見られます。

しかし一年を通して気温の差が激しく、夏は25度近くまで上がり冬は-5度以下になることもあります。

また、アルプス山脈が近い関係で降水量も多いのが特徴です。

ドイツ留学は魅力的!費用を抑えるには利用できる制度をしっかり確認しよう

ヨーロッパの中でも物価が安く治安も良いと言われているドイツは、留学先として魅力的な国です。

実際に日本人だけでなく他の国の留学生も多く、ドイツは留学生の受け入れ態勢が整っています。

また、語学に限らず音楽や芸術、スポーツ、ビールなど、日本では経験できない文化的な側面を体験できる点もドイツ留学の特長ではないでしょうか?

費用面での負担が大きいことは事実ですが、留学保険の見直しや奨学金制度の利用、国立大学への進学を行うことで費用の節約も可能です。

有意義な留学生活を送れるように、留学までに必要な情報をしっかりと調べましょう!